城崎温泉の成り立ちや歴史について

兵庫の城崎温泉は名前のように城崎町に位置する温泉で、その歴史は平安時代よりも前にあるといわれています。
舒明天皇の時代に、コウノトリが傷を癒やしていたことで発見されたという話は有名で、開湯伝説になっているほどです。
伝説は伝説なので真偽のほどは不明ですが、奈良時代に城崎を訪れた僧侶が修業を行い後にお湯が湧出した話もあるので、いずれにしても古い歴史があるのは間違いないです。
少なくとも1000年どころの話ではありませんから、改めていくつも伝説が残るほどの歴史がある温泉なのだと分かります。
ちなみに道智上人は温泉寺開山で、この温泉寺は城崎温泉を象徴する存在になっています。
また江戸時代には温泉番付で西の関脇に位置づけられ、大関の有馬温泉に次ぐ形で話題を集めました。
温泉時代の湯壺は9つあったとされており、多くの人達が訪れ賑わっていたという記録が残ります。
あの桂小五郎が新選組に追われて逃げた地でもあります。

歴史的に見て魅力的な城崎温泉

幕末時代の話ですが、そういう話がいくつも存在する歴史的に見て魅力的な温泉なのは確かです。
江戸時代に栄えていた頃は、うどんやそばなどのファストフードが人気で、鍋焼きを出すお店もあったようです。
食べ物が充実した理由としては、鳥や魚介に果物と、様々な食材が各地から流通していたことにあります。
フグや鴨も手に入ったそうですから、グルメな人も惹き付ける魅力的な温泉地だったことが窺えます。
一方では貸しもの屋も繁盛で、三味線や琵琶に琴といった楽器類に、すごろくや碁が貸し出されていました。
何でも揃っていて借りられることから、客の中には居心地が良過ぎて帰るのを忘れた人もいたそうです。
それほどの人気となれば藩主の耳に入らないわけがなく、実際に城崎温泉には近郊に住む藩主や藩士が足を運んでいました。
更に時代が下がると日露戦争時代には療養所の設置が行われ、傷病を負った兵の安息の地として活用されています。
明治時代以降は文豪が続々と足を運び、有名作品が執筆されたことでも知られます。
しかし1925年に発生した北但馬地震によって、街は一度全焼しています。

当時の客は街の各地に出向いて外湯を楽しんでいた

ところが、このようなことがあっても客足は途絶えず名湯を求めて人々が訪れたことから、復興は順調に進むことになります。
実は城崎温泉には元々内湯を設置する旅館がなく、当時の客は街の各地に出向いて外湯を楽しんでいました。
内湯が設置されるようになったのは震災の後で、復興の際に敷地内の源泉を掘り当てて使い始めたのが切っ掛けです。
ただ、内湯は温泉地の伝統を壊すものだという声が上がり、裁判沙汰にもなったくらいです。
この内湯問題の根は深く、紛争ともいえる裁判は20年以上も続きました。
内湯の設置を認める形でようやく和解に至りましたが、規模を制限するという条件がつけられています。
現在はパイプで各旅館にお湯を供給するシステムが確立済みで、城崎温泉にある殆どの旅館で内湯が設置されている状況です。
パイプでお湯を供給する仕組みは革命とも呼べるもので、次々と内湯の設置が相次いだり普及が進むことになりました。

1963年に城崎ロープウェイが開通

温泉街として全国的に有名になったのは、1963年に城崎ロープウェイが開通したことが大きいです。
それから高度経済成長や温泉ブームの後押しもあり、いつしか城崎は温泉を中心とした巨大観光地へと成長しています。
2015年に火災の発生で2名が亡くなったり、8棟が全焼する痛ましい被害に見舞われました。
ただし心配は無用で、長い歴史と震災から復興した経験があることから、地元の人達は諦めずに復興に取り組みつつ温泉の提供を続けています。
転んでもただでは起き上がることはなく、耐火耐震基準を引き上げ、より安全で安心して過ごせる旅館の形で再建となります。
耐火も耐震基準も古い設計の木造が多い温泉地なので、一度火の手が上がるとたちまち燃え広がるのは容易に想像がつきます。
不幸にも、耐火耐震基準の見直しを進めていた中での火災発生ですから、何とも可愛そうだといえるでしょう。
温泉地は景観も守らなければいけない責任があるので、建築基準法をそのまま適用するのは難しく、独自の耐火耐震基準を検討せざるを得ない状況にありました。
火災によって人々は火事のリスクを目の当たりにしたわけですが、現実的な再建策を選び、少しずつかつての姿を取り戻しています。

お湯は食塩泉で37~83℃という幅広い温度の泉質

城崎温泉には歴史やエピソードと紆余曲折がありますが、肝心のお湯は食塩泉で、37~83℃という幅広い温度の泉質です。
源泉を集中配湯管理施設に集めてパイプで供給する仕組みなので、お湯の温度はどこでも平均57℃前後と安定です。
期待できる効能は神経痛を始めとして、筋肉痛や打ち身に消化器の不調改善で、つるつるに仕上がる美肌効果にも期待が持てます。
時代の変遷と共にあり続けてきた温泉ですが、魅力的なお湯は人々の手によって守られ今に続いているわけです。
その有り難みを理解するのは簡単ではありませんが、現地に足を運んでお湯に浸かることで、人気が衰えず人々に愛されている理由の一端を知ることができるはずです。

 

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